« No.870 | トップページ | 六月の風物詩 »

2009/06/14

センペル物語

とあるイギリスの片田舎センペル魅せられたうら若き姫が居ました。
日々、庭に出てはその姿を愛で甲斐甲斐しく世話をするのでした。

100_6695

草木の芽吹く頃・・・真紅に染まるレッドルビー
曖昧なパステルに染まるオールドレース
ビロードのような美毛に包まれたコレボンやロートコッフ
お洒落な爪取りのあるジョゼッピ
真っ白な雪を被ったようなユーコンスノー・・・・
どれもこれも彼女の心を摑んで放さない魅力的なものばかりです。

100_6698

ある日、西の国からやってきたセンパーの魔女から
ブラックファントムという千年の命を授けてくれるという
幻のセンペルの話を聞きます。

100_6706

外見は黒百合のような少し赤紫を帯びたような黒い色をしています。
朝には透き通るような紫に輝き、昼間の太陽を浴びると真っ赤に染まり
夕方には葉の先端にオパールのような輝きを残しながら
闇夜に帰るように黒く色を戻していきます。

100_6707

その姿は漆黒の夜空にきらめく宝石のようだと・・・・。
そして、そのセンペルを愛することで永遠の命が授けられるという
不思議な力を持つセンペルでもあると魔女はいうのです。
でもそれは、けして人が触れても育ててもいけないという
魔のセンペルでもあるのだと・・・・・

100_6705

その話を聞いた姫は、それ以来そのブラックファントムに
遭いたくて、あいたくて仕方がありません。

100_6704

とある日の夕暮れ、彼女が庭に出ていつものように
センペルの世話をしていると・・・・

正装し、黒い外套をまとい、シルクハットをかぶった紳士が
彼女の前に現れました。

100_6701

「お嬢さん、わたしはいつもあなたが朝に夕に
センペルのお世話をしている姿をみておりました。」
「・・・」
「そこで是非、あなたにこの植物を託したいのです。」
と、おもむろに帽子を脱ぎ、その中から
三頭のセンペルを取り出し、黒い皮手袋の上で広げてみせました。
それは今までにもみたことのない不思議な輝きをもったセンペルでした。
「これは・・・・・?」
「そうです、あなたが恋焦がれていたブラックファントムプリンスです。」
「まぁ~」
彼女がその植物に触れようとした瞬間、
紳士はその三頭のセンペルを外套の内側に隠し
「いいですか?、お嬢さん、これはセンパーの魔女から
お聞きになったとおり、お世話をしていただくことで
あなたに永遠の命を授けてくれるというセンペルです。」
紳士は彼女の瞳をじっとみつめ、囁く様に
「お世話を・・・・・していただけますか?」と問いかけました。

100_6711

彼女はほんの瞬時に・・・・
(センペルのお世話はもう私の日常生活の一部・・・
・・・永遠の命よりも何もこのファントムのお世話をしながら・・・
美しい姿を愛でながらの日々の暮らしが続くことを思えば・・・・
どんなに幸せだろう・・・・命なんて・・・)と
脳裏ではもう覚悟を決めていました。

100_6712

紳士は、優しくうなづき、
その3頭のファントムを彼女の手のひらに降ろすと
外套を翻し来た道をフォックストロットのステップで戻っていきました。

「だれだろう?変わった人・・・」と思って
その遠くなっていく後ろ姿を目を細めて見ていました。

急にちらちらとカーテン越しに眩しい光が・・・
「あっ、ファントム!」
まばゆい光に目をこすりながら・・・気が付くと
彼女はベットの上に居ました。

「夢・・・・???」

急いで外に出てみると、あたり一面
朝露にセンペルがきらきら輝いていました。

中にひとつだけ、透き通るような紫に輝くセンペルが・・・・


100_6709


その姫とブラックファントムプリンスにまつわる古城には
いまでもその歴史を物語るよう、
あたり一面をセンペルが覆い尽くしているのでした。

その古城の窓辺には時折、姫のミイラが姿を現すそうです。


注:この物語はすべてフィクションです。
登場人物、植物名は架空のものもありますのでお許しください。

きょうは、一日、こんなバカなことをしていました。
読んでくださった方、あつきあいありがとうございました^^


|

« No.870 | トップページ | 六月の風物詩 »

コメント

こんばんは~☆くゆらさん

この物語くゆらさんがお作りになったの?
真剣に読んでしまいました。素晴らしいわ~。
作家になって植物(多肉)にまつわる話を書いて欲しいな♪また是非、読みたいですよ~♪

投稿: じんじゃ☆ | 2009/06/14 17:05

素敵なお話ですね。
鉢やセンペル、古城の置物
それらから創造してしまうお話。
それを物語ってくれる、鉢植え。

そんな素敵な鉢植え私も
作れるようになりたいわぁ~confident

投稿: あこ | 2009/06/14 21:04

くゆらさん、こんばんは~

素敵な物語ですね。
ご自分で作られたのですか?真剣に読んで楽しかったです。
多肉の寄せ植えのお城は外国の物かと思いながら読み進みました。
何時も楽しい事を考え実行して居るくゆらさん素敵~~

投稿: | 2009/06/14 22:29

ラブリーなハコニワですねhappy01
いや、ラブリーなお城?
素敵ですねぇheart04
先日のは無理でも、リアルハコニワのようなのは
私もやってみたぁい♪素敵♪


投稿: emi | 2009/06/14 22:29

上のコメント名前忘れました。
しの、です

楽しい物語に酔いしれて忘れて仕舞いました。

投稿: しの | 2009/06/14 22:32

くゆらさん、こんばんは。
なんて素敵な寄せ植えでしょう。
うっとりですね。
こんな物語があるのも納得です。

姫愁麗やベンケイソウ科のセダムたち、放出の時があれば、お願いしたいと思います。
よろしくお願いしますね。

投稿: 由莉まま | 2009/06/14 23:12

素敵なお話ですね~♪
そして美しいセンペルにうっとり~heart02
宝塚歌劇を想像しながら読みましたhappy01

投稿: ぱぴ丼 | 2009/06/15 07:38

お話にぴったりのセンペル城です~
きっと物語を考えながらセンペル並べをされたんですね♪
センペルがお城の兵士のようだったりお姫様を取り囲む召使だったり小道だったりどれもこれも想像を掻き立てるような素敵な配色&配列でくゆらさんのセンスがピカピカに光ってます♪
本当にこういうお城があったら素敵でしょうね~

投稿: にゃんた | 2009/06/15 15:04

おお~
こういう寄せ植えも 考えられないけれど
お話も思いつかないなぁ~
本当に素敵です!

あのお城の横に植わっているのはなんですか?
多肉ではないような???
見かけたことあるような…

投稿: ちびちゃん | 2009/06/15 15:19

素敵です~こんな風に飾ってもらってセンペルもシアワセですよね~!
お話は絵本にして販売してください!
息子に読み聞かせしますから~。
緑のモサモサはコニファーかしら??

投稿: 洋吉 | 2009/06/15 16:45

こんにちは、じんじゃ☆さん♪

楽しんでいただけましたか^^?
でも、多肉にまつわるお話も、
こんな空言ばかりではいけないでしょうね。
ある程度、地理とか歴史、植物学的な知識がないと・・・・。
作家になるなんて、遠~い・・・遠~い(笑)

投稿: くゆら | 2009/06/15 19:59

こんにちは、あこさん♪

>素敵なお話ですね。
そうですか^^素直にありがと♪

>鉢やセンペル、古城の置物
>それらから創造してしまうお話。
>それを物語ってくれる、鉢植え。
暫く前に、この家型アクセサリーを見て
作ってみたいなぁ~と思ったのがきっかけです^^

>そんな素敵な鉢植え私も
>作れるようになりたいわぁ~
あこさん、もう十分に素敵な鉢植え作られていますよ。

投稿: くゆら | 2009/06/15 20:00

こんにちは、しのさん♪

>素敵な物語ですね。
>ご自分で作られたのですか?真剣に読んで楽しかったです。
ありがとう、楽しんでいただけましたか?
センペルにはもともと命を受け継いでいくという
名前の由来もあるようですよ。

>何時も楽しい事を考え実行して居るくゆらさん素敵~~
^^現実逃避型の人間だから
創造の世界に遊ぶのは好きなのかもしれません。

投稿: くゆら | 2009/06/15 20:00

こんにちは、emiさん♪

>ラブリーなハコニワですね
>いや、ラブリーなお城?
ハハハッ、ほんとハコニワですね。
ゲームのハコニワはコンプリートしてしまったから
こんなことやりだしたのでしょうかねっ?

>素敵ですねぇ
ありがと♪

>先日のは無理でも、リアルハコニワのようなのは
>私もやってみたぁい♪素敵♪
ハイ、是非、ゲームでなく
リアルハコニワ、作ってください、見に行きます^^。

投稿: くゆら | 2009/06/15 20:01

こんにちは、由莉まま さん♪

>くゆらさん、こんばんは。
>なんて素敵な寄せ植えでしょう。
ありがとう♪

>うっとりですね。
>こんな物語があるのも納得です。
物語はずーっと、命を受け継いでいく
センペルの習性に採ってつけたようなお話ですが^^
楽しんでいただけましたか^^

>姫愁麗やベンケイソウ科のセダムたち、放出の時があれば、
>お願いしたいと思います。よろしくお願いしますね。
メール添付していただいていたので
後ほど、メールしますね。

投稿: くゆら | 2009/06/15 20:02

こんにちは、ぱぴ丼 さん♪

>素敵なお話ですね~♪
ありがとう、楽しんでいただけたでしょうか?

>そして美しいセンペルにうっとり~
>宝塚歌劇を想像しながら読みました
ハイ、その想像間違っていませんね、正解です^^
歌劇になるようにメロディーをつけないといけませんね(笑)

投稿: くゆら | 2009/06/15 20:02

こんにちは、にゃんたさん♪

>お話にぴったりのセンペル城です~
そうですか^^ありがとう♪

>きっと物語を考えながらセンペル並べをされたんですね♪
センペル・・・解けるだろうなぁ~と思いながら並べてました(笑)

>センペルがお城の兵士のようだったり
>お姫様を取り囲む召使だったり小道だったり
>どれもこれも想像を掻き立てるような素敵な配色&配列で
>くゆらさんのセンスがピカピカに光ってます♪
ヘ(´ω`)ゞイヤァ~照れます^^光っているのはセンペルですね。

>本当にこういうお城があったら素敵でしょうね~
ハイ、そうですよね。密かに、庭いっぱいのセンペルに
ならないかなぁ~という妄想はいだいていたりします(爆)

投稿: くゆら | 2009/06/15 20:03

こんにちは、ちびちゃん♪

>おお~
>こういう寄せ植えも 考えられないけれど
>お話も思いつかないなぁ~
>本当に素敵です!
ありがとう♪
お話はちょっと苦しいので・・・
最後はみなさんの想像にゆだねる感じで結んでみました^^

>あのお城の横に植わっているのはなんですか?
>多肉ではないような???
>見かけたことあるような…
さすが・・・ちびちゃん・・・です^^
セラギネアというクッションモスです。
上段に植わっているのは「レピュドフィール」
下段左は「アポダ」、下段右は「オーロラ」です。
モス・・・苔ですね。ジメジメしたところに生えそうな
イメージですが、センペルも野生では
苔むした岩場に生えていたりするようなので、
環境は風通しが良く涼しくて明るい日陰を好むそうなので
相性はいいかもしれません^^

投稿: くゆら | 2009/06/15 20:03

こんにちは、洋吉さん♪

>素敵です~こんな風に飾ってもらってセンペルもシアワセですよね~!
ありがとう♪
センペルはプロフォニス、テソロ、アラクノイデウムブリオイデス
パシフィックグレイス、紅蓮華、赤巻絹、ペキニーズなど
特徴のあるセンペルも入っていますが・・・
こんなこと出来るのも名無しのセンペルの幸せですね・・・・。

>お話は絵本にして販売してください!
>息子に読み聞かせしますから~。
それは是非、洋吉さんの手作り絵本でお願いします^^。

>緑のモサモサはコニファーかしら??
ハイ、コニファーに見立てたクションモスのセラギネアです。
育つ環境は、意外にセンペルと同じような環境を好むようです。

投稿: くゆら | 2009/06/15 20:04

すてき~。うっとりしてしまいます。
物語も寄せ植えも。皆さんもおっしゃって見えますが真剣に読んでしまいました。
私はムーミンの世界を連想してしまいました。
紳士は飛行鬼の顔をしてましたw

鉢のバックの葉物たち…ヒューケラ?もいい感じですね。
こんなの私も作りたい~。
でもバックまで考えてきちんと庭の管理をなされているのでとてもマネできないなぁと。
何よりこんなにたくさんのセンペルが…^^;
プロフォニス=プロホニス、ですよね。
え…どの子かわかんない。ウチの子と色違うんですね。
まだこんなに真っ赤っかの子もいるんですね~。

投稿: 紫猫 | 2009/06/16 04:02

こんにちは、紫猫 さん♪

真剣に読んでくださってありがとう。

>私はムーミンの世界を連想してしまいました。
>紳士は飛行鬼の顔をしてましたw
ハイ、その連想も大正解です^^
飛行鬼はルビーを探しているあいだに
オパールのように輝くセンペルに出逢ってしまったのですね^^
でも豹に乗っていてはフォックストロットは踏めませんね(笑)

>鉢のバックの葉物たち…ヒューケラ?もいい感じですね。
>こんなの私も作りたい~。
>でもバックまで考えてきちんと庭の管理をなされているのでとてもマネできないなぁと。
ハハハ・・・、これはちょっと置き場所を意識して撮りました。
そしてすぐあと、この鉢は北側の軒下に移しました。
北側の背景は何しろ、エアコンの室外機ですからTT

プロフォニス=プロホニスです。
紫猫 さんもUPされていましたね。
参考までに・・・、自分の記録用にも名前を記載してみたので
よかったら参考にしてみてください^^
http://forestmist.cocolog-nifty.com/photos/justm/100_6698.jpg

投稿: くゆら | 2009/06/16 23:15

この記事へのコメントは終了しました。

« No.870 | トップページ | 六月の風物詩 »